春の風を表現してモクレンとムラサキハナナを生ける

やわらかな春の風が左から右に吹いているのである。

象形流華道は生ける時間が基本的に5分というコンセプトであるので、そのためにあらかじめ脳の中では完成図を描いておいて、山野を走り回って花を採集するときに切りそろえておくのである。

街の生花店で売ってる切り花とちがい、自然の花は生けると水上げが悪く寿命が短いものが多く、うっかりしてると数時間でしおれたりするので、一瞬の芸術である。

水上げとは生け花において、切り花として摘花後に花の鮮度を保つために水を吸わせる作業である。

上部の紫色の大きな花がモクレンである。

元来のモクレンは観賞のためではなく、そのつぼみが漢方で「辛夷(しんい)」と呼ばれ、頭痛や鼻炎の薬とされたそうであるが、もちろん我が家のモクレンはそのために植えたわけではなくある意味勝手に育って紫紅の花を咲かせているのである。

下部のねじめ部分のムラサキハナナの本名はオオアラセイトウでアブラナ科オオアラセイトウ属の年を越して翌年に枯れる越年草である。

別名に諸葛孔明が広めたといういわれからショカツサイとも呼ばれ、形状が似ている菜の花(アブラナ)にと野菜としての利用や種から油を採取する実用野菜である。

実は我が家ではこの花を古来よりダイコンドウと呼んでいたのであるが、今回生けるにあたって調べてみるとムラサキハナナはハナダイコンとよく似ているため混同しているのであろうということが分かったのである。

ムラサキハナナとハナダイコンの違いは、ムラサキハナナの葉が広がっているのに大してハナダイコンの葉は細いということがあり、また、ムラサキハナナの花は一輪ごとに離れているが、ハナダイコンの花は密集しているという違いがある。

まあ、別に生け花としてはどーでもいいわけであるが、ブログに掲載するにあたってはやはり正確なところを知りたいわけである。

ちなみに生けた次の日にモクレンの花が開いたのである。

あーらびっくりね。

象気功

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