春の力強い生命の息吹を表現してバイモとボケを生ける


上部の小ぶりな釣り鐘型の花がバイモ(貝母)である。

バイモは別名をバイモユリ(貝母百合)、アミガサユリ(編笠百合)、テンガユリ(天蓋百合)、と呼ばれ、本来の産地は中国東部に分布するユリ科バイモ属の多年生の野草である。

あたしら茶道家の間ではバイモソウ(貝母草)と言い慣わした茶花でもあるのである。

誰が茶道家だ。

下部のあたしら華道家の間で言ういわゆるねじめ部分は、ほころびかけて今まさに花開かんとするボケ(木瓜)の赤い花のつぼみである。

誰が華道家だ。

ああ、いいんだ。

いちいちボケの花でボケるな。

うまいねどーも。

ああ、もうやんなっちゃった。

やんなんないでさっさと次に行け。

はいはい。

雑に生けてあるように見えるが、採集するときからこの風景になるように切りそろえたのである。

そこが、野山を走りまわって花を生ける自然派華道家としての矜持である。

春に力強く花開く生命の息吹を感じていただければ幸いである。

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