初冬の野草を生ける

秋も深まりいよいよ冬に向かう今日この頃、生け花マニアの皆様方にはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日も今日とて、自然派華道の騎手として野を走り山に登り森林に分け入り、大活躍の末、ヤマユリ(山百合)、オイランソウ(花魁草)、イチジクの果実、ネコジャラシ、野菊などの野草を採集して生けたのである。

ヤマユリ、オイランソウはすでに種の状態で、イチジクもすでに果実を付け、冬に入らんとする枯野の情緒満点である。

てなことで野菊の他は、種あるいは果実であるので、次代にエネルギーを継ぐ枯野の中に忽然と咲き誇る野菊の生命力あふれたエネルギーをご覧あれという作品である。

左にネコジャラシをはみ出させてバランスを意図的に崩して野趣をいかんなく表してみたわであるが、シンメトリーにならないように生けるのが生け花の基本であり心意気であるので基本通りといえば基本通りでまともな構成である。

ときにはその構成を崩して思いっきりわけのわからないものを生けたいと思うが、なにしろ道場の入り口に飾る花であるので、縁起物という側面を考えての見栄えを忖度するわけである。

あくまでも自然の野の花、野草、樹木を生ける象形流華道としては、これから真冬に向かって生ける花が限られてくるが、そこはそれ神の御意思に従ってあるものをあるように生ける所存である。

自然を生けるということは、この世宇宙のことわりをそのまま生けるわけであるから、枯れ葉枯れ枝もありがたいありがたいと拝み倒して生け花の素材とするのが生きとし生けるものへの感謝であり儀礼である。

象気功

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